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【書評】人口減少時代の都市 諸富徹 [読書]

右肩あがりしか知らない人には、
下り坂の時にどうすれば良いのかさっぱりわからないということがあります。

我が国政府も然りかも知れません。
子育て世代を応援する政策を打ち出せないのにも関わらず、ともすれば人口
右肩あがりを前提にした政策を実施します。

実際には、移民政策でもとらない限り人口は減るのです。
(今だに移民政策を取れば日本には多くの外国人が来ると思っている人がい
ますが、働きやすさや給料、暮らしやすさの面で日本の魅力などもはやたか
が知れていて、来て欲しいと思えるような優良な人は他の国に行ってしまう
そうです。その意味で、もはや移民政策も手遅れかも知れません。)

さて、じゃあどうするのさ。
そこに果敢に切り込んだのが本書です。

気鋭の学者らしく、過去の都市経営の事例を紐解きながらの論考は読ませ
ます。

もちろんこの本に答えがあるわけではありません。
問題点の提起と解決のための視点を示したものと理解した方が良いでしょう。

都市(自治体)経営の視点は、その通りですが交付金漬けで経営のイロハ
のない現在の多くの自治体でそれを行うのは中々に難しそうです。
地方分権を進めるか、民活分野を広げるか実施にはかなりの工夫が必要か
もしれません。

ともあれまずは課題のありかを、本書などを通じて、しっかりと確認して
おきたいところです。

諸富徹「人口減少時代の都市〜成熟型のまちづくりへ〜」中公新書
定価 800円+消費税

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