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専門家会議は一体どのような考えでこの提言を出したのか。5/1付け提言。 [科学・技術]

コロナウィルスに関する専門家会議からは、すでに5月4日付けで最新の提言が出
ていますし、安倍総理も緊急事態宣言延長のための記者会見を行っていますが、
数値が出てきませんね。

少なくともこれまでの対策がどの程度まで進捗し、それをどのように評価し、なお
かつ改善しようとしているのかが、ごっそりと抜け落ちていると言って良いのでは
ないでしょうか。
定量的に評価しないと、次に何をどの強度で実施する必要があるかわからないと思
うのですが。。。

さて、本稿で主に取り上げる5月1日づけ専門家会議の提言では、コロナウィルス感
染症の拡大に関する重要な指標である実効再生産数について、実効再生産数が3月
25日時点で2.0、緊急事態宣言発令直後の4月10日時点で0.7と推計しています。東
京都に限ると3月14日がピークで2.6、同じく緊急事態宣言発令直後の4月10日で0.5
と推計されています。
(あくまで感染者の捕捉率が現在の検査体制で十分との前提ですが。)

この数値が意味するのは、緊急事態宣言前の取組レベルですでに感染拡大が抑制さ
れているということです。緊急事態宣言後は、社会経済活動に相当のブレーキをか
けているので、さらに下がっている可能性もあります。

これを素直に読み解けば、緊急事態宣言は予定どおり解除できると評価し、持久戦
に向けてコロナウイルス感染症をどのように管理していくかの提言を出すことにわ
けですが、そうはならない。

ここからよくわからなくなるのですが、新規感染者数が一定水準以下になってない
という定性的な表現で緊急事態宣言が引き続き必要との結論につなげています。

おそらくは重症患者の受け入れに必要なECMOなどの整備台数が追いついていない
からと言いたいのかも知れません。それならば現在の重症患者の受け入れ能力から、
各地域での新規感染者数を何人以下にコントロールする必要があるなどの評価をす
べきではないか。

しかも、いつまでたっても体制整備が必要だとの話が出てきますが、コロナウィル
ス感染症が日本に上陸して一体何ヶ月経つのでしょうか。他国ではできているPCR
検査の体制すらいまだに整備できていません。

何れにしても、体制や設備、物資に関する準備状況をどのように評価するのかは、
専門家会議が行うべき重要な役割です。「新しい生活様式」のような耳障りの良い
提言は、要するに国民に努力を強いた一方で、進めるべき体制の整備が進んでいな
かったことの裏返しにしかすぎません。

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U3

Asterionellaさん こんばんは。
 仰る通りだと思います。彼らは明らかにこの任に相応しくない人たちばかりです。
 アメリカで実際にCOVID−19患者を、ペンシルバニア州立大学病院(記憶は定かではありません)で診て、治療に当たった学者でもある臨床医の報告では、PCR検査を受けた時点で重度の肺炎であることが判明し、ECMOに繋がれた患者は、殆どというより全員亡くなられたそうです。その全員が高血圧や糖尿病などの基礎疾患があった人たちだそうです。
 ということは、基礎疾患があって発症した人は、PCR検査を受けて陽性反応がでた時点では、既に重症化(あるいは重篤な容体になっていて)していて、たとえ高度な人工呼吸器に繋がれても手遅れだということです。
 と言うことは、極論かもしれませんが、発症したと疑われる人から先に検査するのではなく、一刻も早く危険地帯にいる基礎疾患のある方々全員を優先して検査することが肝要かと思われます。
 約八割を占めるという陽性患者の中の無症候性キャリアの致死率は微々たるものです。であるならば、基礎疾患のある人たちをどう無症候性キャリアから引き離すかが一番大事になって来るのだと思います。
 それは同時にPCR検査自体の在り方を根本的に変えることを意味します。
 PCR検査のすべてのリソースを基礎疾患のある人たちに振り向けるべき、というのが小生の結論です。
 

by U3 (2020-05-05 18:36) 

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