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【書評】人口減少時代の都市 諸富徹 [読書]

右肩あがりしか知らない人には、
下り坂の時にどうすれば良いのかさっぱりわからないということがあります。

我が国政府も然りかも知れません。
子育て世代を応援する政策を打ち出せないのにも関わらず、ともすれば人口
右肩あがりを前提にした政策を実施します。

実際には、移民政策でもとらない限り人口は減るのです。
(今だに移民政策を取れば日本には多くの外国人が来ると思っている人がい
ますが、働きやすさや給料、暮らしやすさの面で日本の魅力などもはやたか
が知れていて、来て欲しいと思えるような優良な人は他の国に行ってしまう
そうです。その意味で、もはや移民政策も手遅れかも知れません。)

さて、じゃあどうするのさ。
そこに果敢に切り込んだのが本書です。

気鋭の学者らしく、過去の都市経営の事例を紐解きながらの論考は読ませ
ます。

もちろんこの本に答えがあるわけではありません。
問題点の提起と解決のための視点を示したものと理解した方が良いでしょう。

都市(自治体)経営の視点は、その通りですが交付金漬けで経営のイロハ
のない現在の多くの自治体でそれを行うのは中々に難しそうです。
地方分権を進めるか、民活分野を広げるか実施にはかなりの工夫が必要か
もしれません。

ともあれまずは課題のありかを、本書などを通じて、しっかりと確認して
おきたいところです。

諸富徹「人口減少時代の都市〜成熟型のまちづくりへ〜」中公新書
定価 800円+消費税

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【書評】入門ビットコインとブロックチェーン 野口悠紀雄 [読書]

わかってそうでわかっていない
新しい技術や用語。

恥ずかしいので取り急ぎと入門編を手に取ります。
まあ普段これらの技術を使っているわけではないので、話についていく分には
十分な内容です。

まずは、ビットコインが投機目的の通貨であり、胡散臭いという誤解が解消で
できました。むしろ決済用の通貨なんですね。

しかしこの
ビットコイン(というよりは仮想通貨)とブロックチェーンって思っていたよ
りもすごい。

大量のデータを大型の基幹系システムを使わなくても信頼性を確保したまま分
散系で処理できることに加え、決済が容易でお金の掛からない仮想通貨を使う
ことで短時間に小規模な取引を大量に実施できることになります。
決済をまとめてではなく、都度都度で良いのです。

そうすると例えばこんなこともできるのではないでしょうか。
現在都内では時差通勤を推奨していますが、時間帯別の料金設定をして、課金
・割引を細かく設定するのです。定期券・非定期券で差をつけることもできる
でしょう。
ブロックチェーンと仮想通貨を使うことで、電鉄会社の基幹システムを構築し
なおさなくても利用者側への振り込みと引き落としがすぐにできそうです。

いろいろと応用ができそうで、これは広まりそうな技術です。

野口悠紀雄「入門ビットコインとブロックチェーン」PHPビジネス新書
定価 890円+消費税

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