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人生にはさよならが [雑文]

当たり前のことですが、人生に別れはつきものです。歳をとれば、否応なく死を迎えなくてはなりません。それも90を越せば、大往生と言って良いでしょう。

祖父が亡くなりました。

数ヶ月前に末期ガンとわかってからは、呆気ないものでした。祖父は信じがたいほど身体が強く、88で骨盤を骨折し、これはこのまま寝たきりかと誰もが思ったところ、直ぐに歩き始めて医者を驚かせたほどです。
今回も何とか持ちこたえるのでは、そんな期待をしていたのですが…。ほとんど苦しまなかったのが幸いでした。

亡くなる一週間前に見舞った時は、意識もはっきりしており、お前は偉くなったのか、お袋(自分の娘)の面倒を見ろと、人のことばかり気にしていました。

別れ際に握った手は、戦争をはじめ苦しいことも多かったはずの人生を受け入れ、その中で精一杯に働いた手でした。
まだ死ぬつもりはないとは言っていましたが、あれはやはり別れの握手だったのでしょう。
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